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column

ずいぶん続いているようにも思えます、このグレートコートの件ですけども、ようやくアーミー編が終わったところでございます。
簡単にグレートコートと言ってはみたものの、ん〜なかなかですよね。
奥が深いコートの沼ですよ。
東京に出てきたばかりの大学生が言う"今年の冬はコートが流行るから〜マジで覚えておいた方が良いじゃん〜" のそのコートから、ヴィクトリアンのミリタリーグレートコートWithケープ、はたまた、ヴィンセントさんのカナディアン・グレートコートまで、いろいろな物があるのですからね。
グレートコートだけでも十分に深い沼であることが何となくでも理解しだしてきた頃でしょうか?
お世話になっております、をさないです。

今回からは海軍の物になります。俗に言うNavy(ネイヴィー)というやつですよね。形容詞型がNaval(ネイヴァル)になりますから、Naval Coatと言えば"海軍のコート"という塩梅です。
こんな事を話し出したので、もうすこし肉付けいたしますと、イギリス海軍はRoyal Navyと呼ばれます。イギリスの陸海空で一番歴史が古いのが実はRNだったりしますよ。


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MTOC4版ではギーヴスからいただいているイメージが使われておりますね。
ギーヴスは特に昔からRNとの関係性が深いテーラーです。(詳しく知りたい人は例のごとくググってください)

私の知っている限りでは、右のNaval Greatcoatは限られた期間しか作られていないはずです。
正式名称は知りませんが、このフロントパネル(ボタンの辺りにシームが入っているのがわかりますよね?)がついている物はだいたいWW2大戦期くらいの物しか私は知りません。
長くても、30s後半から40s後半くらい、50年前半までにしか作られていないと思います。
見つかるモノはだいたいがプレーンの物でしょう。
ラペルは陸軍とは違いピーコートを連想させるようなVゾーンが狭く大きいコンパクトなラペルがつきます。コンバーチブルです。
色は濃紺 です。
RNではより厳かな空気感のあるフロックオーヴァーコートも時より見かけますが、どういうように使い分けていたのかはわかりません。基本は古いモノのようですが、当時はフロック型が結構作られていたのかもしれません。最近のモノでは見ないですね。

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これが上のイラストのパターンになります。
細かい事を言いますと、Material:Official blue beaver or pilot cloth となっています。
青系の色は黒でなければすべて英語ではBlueでOKです。ブルービーヴァークロス、パイロットクロスというのは要はピーコートのような船員用生地の事です。基本紺になりますから、厚手のブルーの生地なんかを見たときに "良いブルービーヴァークロスですねぇ〜USNのピーコートっぽいリーファーとかこれで作りたいなぁ〜" っとつぶやけば完璧です。相当キモイ(良意味)です。いや寧ろキモイ(悪意味)かもしれませんので、お気をつけください。

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MTOC初版のNaval Greatcoatですから、20s後半から30sにかけての物です。細かい違いを書き上げればキリがないのですけども、見たとおりです。
先ほども話したフロントパネルはありませんよね。(シームはなくマシーンスティッチのみ)

これらのパターンが頭に入っていたら、現物をどこかで見たときに簡単なデイティングができるという仕組みです。

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これがヴィンセントシステムのパターンですから、エドワーディアンのネイヴァル・グレートコートになりますね。
なんとなくDNAが感じられるでしょう?
それにしてもセンターバックに使われるプリーツがワイドですよね。これね、重たいですよ笑。
 

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60sのPKTCPG20版、前回にも登場した1965年に出版された最終版だと思われる一冊に登場するNaval Greatcoat。

時代によっても色々と違いがあったのだと理解できると思います。(ボタン周りはプレーンになっているのもわかりますね)

前から言っております通り、パターンカッティングでは微々たる差でも、Coat Making側でもまたちがいがありますし、使っている生地を織っている機械も違っていたりしますから、やはり現物を見てみると"いやはや全然違う物だなぁ〜"
っと思うことも多々あります。
特にそれがファクトリーメードとハンドテーラードでも違ってくるわけですからね。
一般の皆様にはごくわずかな違いなのかもしれませんが、それを纏ったときの空気感では意外と十分な違いがあったりするのものです。

>>>>>>>>>>>>>>>>>> 次回へつづく