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さてさて、最後の10着目ですが、実はずっと前から、10着目はこれで終わらせる、というプランが私にはあったので、機が熟すのをただ待つばかりでした。

この際、焦らすとか言うテクニックは使いたくありませんのでさっさと紹介してしまいましょう。
お世話になっております、をさないです。

ちまたではどうでしょうか、"10着目はアレだろう?" とかいうお話でずいぶん盛り上がったのだとか、盛り上げって無いだとか。そのためかここ一週間の鳥貴族の鳥の数が例年に比べずいぶんと消費されたであるとか、されていないとか言われておりますよね。

どうでしょう?皆様も思い思いに最後の一着を思ってみてください。

私のはこれでした。


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そう、最後の最後まで私らしく英国モノで突き通してみました。
最後だけ意表を突いて、アメリカモノやフランスモノでくるかと思いましたか?

最後は "ブリティッシュミリタリーのグレートコート" とすこし大ざっぱにしておきます。
一応ここでご紹介いたしますのは、ど真ん中もど真ん中、グレートコートの王道中の王道、ロイヤルアーミーの"No1 Greatcoat"
グレートコートと一言で言いましても実は色々あるのですよね陸海空でももちろんちがいますし。年代で若干のディテールの違いもあります。
大きく言いますと、このNo1はランサー型のダブルブレストフロントで襟がスタンド&フォールのものです。

<※ 襟について語ると長くなってしまうので、端折りますが、和製英語といわれるステンカラー(スタンドカラーが訛ったモノとされてる?)は英語ではプラ(ロ)シアンカラーが適切だと思います。プラシアンとスタンド&フォールは同一と語られてしまう場合もありますが、厳密にはこれらは実は別物です。そして、その件のスタンドカラーはステンカラーとは全くの別物ですから、それもまた注意が必要かもしれませんね。日本でファッションをするとなると和製英語と英語、米語の板挟みに遭いますから色々と大変なこともあるとはおもいます。今は若者が海外に出ることも増えておりますから、少しでも混乱を避けられれば幸いですね。>

タイプ別のモノでは若干イレギュラーの襟が2Way型(俗に言うフロントがラペル型にもなるモノ)があります。コンバーチブルカラーとか言う場合もありますね。あ、すみません、<コンヴァーティブル>でしたね。
私も実際細かい軍のレギュレーションについて資料を調べずに空で語れるほど詳しくない(ミリヲタではない)ですから、そのへんのお話はできかねますが、このNo1タイプが非常にフォーマルであるのは見ただけでわかると思います。

警察や軍隊に所属していた経験がある人であればわかるかもしれませんが、非常に細かいレギュレーションがあります。もちろん、WW1とWW2期では違いもあります。(現在のロンドン市警にいる友人もシャツに掛けるアイロンでさえも細かいルールがありクリースの入れ方ひとつにもしっかりとレギュレーションがあると語っておりましたし、またはミリタリーに所属している知人が語るには、ネームタグの差し込み方しかり、とっても細かい指定があるようです。)
ずいぶん前にミリタリーケープを紹介しましたが、式典用の検品に通ったというスタンプが押されてありましたよね。そういったこまかいレギュレーションがあるわけです。軍とはすなわち規律ですからね。
もちろん、テーラーはそういった今日のレギュレーションに沿ったデザインで作らなければいけません。適当に遊びを入れられるモノではありません。あくまでフォーマルウェアですからね。

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<60年代のT&Cのミリタリーガーメントのパーターンメーキングではこういった注意書きがあったりします。要約しますと、"マジで注意しれよな!" と書いてあります。>

最後の締めこそはこういった歴史あるフォーマルなモノであり、且つ現代に至るまで常にデザイナー達にインスピレーションを与えてきたモノを持ってきたかったのです。
グレートコートをサンプリングしたコートは星の数ほどパリコレを歩いてきていますよね。
私も一度ほとんどグレートコート(ガチのミリタリー仕様ではない一般のオーダーで、一応便宜上カッターさんはドライビングコートと呼んでいましたね。まぁ、昔のグレートコートとドライビングコートって似てるのですけどね。)を作ったことがありますよ。
このNo1はすでにボタンをホーンボタンに取り替えてあります。もちろん、そのメタルボタンすべて今でもそろってありますが、メタルのままだとやっぱりどうしてもユニフォーム感が出過ぎるのでホーンに変えました。
サンプル用に買ったのですが、少しのお直しでばっちりだったので手直ししました。まぁ、一度も外で着たことはないのですがね。(深夜の孤独なファッションショー用にお直ししたのですから、ずいぶん酔狂なことをしたものです。否、いつかは外で着る予定ですから、とうぜんの労力です。目処は立っておりませんがね。)

写真で見ていただけたらわかることなのですけども、これはギーヴス&ホークスのホークス社製のモノ。私にとって、このアイテムはどうしてもこのホークス製が良かった。
もう気づいている方も多いとは思いますが、ホークスと言えばSavile Row一番地(その後ギーヴスがホークスを買収し、一番地にはずっとG&Hがありますよ。)
要は何が言いたいかと言いますとね、No1, Savile Row(サヴィルロウ一番地)で作られたNo1 Greatcoatだというダジャレを私は言いたいわけですよ。
本当にこの為だけに、このコートは10番目までそのときを今か今かと待っていたわけですよ。
この際、このダジャレがおもしろいかどうかと言うことは二の次ですよね。
ただただ言いたかったという自己満足だけですから。
私はね、いくらこの回を上沼恵美子さんに嫌いだと言われても、胸を張ってこう言ってやりますよ。
これが、No1サヴィルロウで作られた、No1グレートコートですよ、ってね。

私も正直、今回の投稿に後悔がないのかと聞かれれば返答は難しいかもしれません。なぜか暖めていた一つのシリーズの終わりがこれで本当に良いのかと尋ねられれば、そりゃ、ん〜これもまた一つの私の形なのかな、とは思いますよ。

さて、まるで生乾きのように嫌な臭いだけを残し、このまま終わらすつもりですが、どうでしたでしょうか?

"引っ張っておいて、とんでもなく中途半端なオチを平然と用意してくる、そこに痺れる! あこがれるゥ!"

と思っていただけた方。そんなあなたにこのコンテンツは支えられております。ありがとうございます。

次回からは他のパターンのグレートコートについても理解を深め、このシリーズを完全に終わらせたいと思います。