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column

日本ではスポーツブランドのバートンが有名ですが、無論ここで語られるべきなのは英国のBurton。当時のクラシカルな旧タグのものは正式にモンテーニュ・バートンと呼ぶべきかもしれませんね。
以前CC41のデモブスーツの時に軽く触れましたが、少し話を煮詰めてみるのはどうでしょうか?
お世話になっております、をさないです。

正直、わざわざSRCにおつきあいいただいている方々は紳士服に興味がある方だと思われるのですが、"紳士服に興味あります!"という方でバートンを知らないというのはあまりにも格好がつかない。
今のイタリアのブランドを空でいくらでも言えてももちろんいいですし、そのファクトリーブランドが過去にフランスの老舗ブランドのOEMを数々こなしていた実力派であるとか、もちろん存分に語っていただきたいのですが、そこまで知っててバートンを知らないでは新参者認定されてしまうのですよね。
エルメスの各国に散らばるファクトリーの情報をしっていてバートンを知らないのは洋服が好きなのではなくて、エルメスが好きな人でしょう?
こちとらキャバ嬢と会話したくて情報集めているのではなくて、夜な夜な袖を通して、一人で悦に浸るキモヲタブタメン(KOBM)なわけですよ。もちろん、今画面の前のあなたもKOBMだといっているわけではありませんよ。まぁ、可能性はあるでしょうけどね。

ともかく、20世紀の最初の50年でButonは世界で一番大きなClothing Firm、洋服ブランド、マニュファクチャラーになったわけです。
簡単にいいますとイギリスでバートンを知らないという事は日本でユニクロを知らないようなものなわけです。

ブランドの歴史であったり、Montague Burtonさんについてしっかりと詳しく知りたい人は例のごとく、ググってみたり、本を買ってみたりしてください。後々、バートンの本の紹介もいたします。

ウィキペディアでは1903年にできたと書いてありますが、昔のBurtonの本には1900年となっておりまして、1925年、1950年という区切りの年にも出版されていた本があります。(個人でビジネスを始めたのと正式に会社を登録した時の誤差かもしれませんね。)

まぁ、そういった細かい事はおいておきまして、このBurtonですが、設立最初期はThe Cross Tailoring Company。そのご1910年あたりから1916年までは"Burton&Burton" 。そして"Montague Burton, The Tailor of Taste,LTD" 、"Montague Burton,LTD"など名前が変わってきた歴史があるわけです。(正式なブランド年表のような物が見つからないので、細かい年月日は要出典。)
このCross Tailoring CompanyやBurton&Burton期の洋服はまず見つかりません。私も見たことありません。きっと無いのでしょう笑。
もしもお持ちの方はメルカリでは売れないでしょうから、しっかりebayで売ってください。世界中のコレクターが探しておりますよ。

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ざっくりとこのタグであれば10年代後半〜50年代前半の物だと言われております。そのためもっと正確なデイティングはその他のディテールに依存します。
CC41などわかりやすいサインがありますとこの期間の後半の物だとわかりやすい
ですね。

ヴィンテージのバートンでこのオールドタグであれば、非常にクラシカルな20世紀前半のスーツを保証してくれます。生地もそうですし、作り方もそうです。
もちろんファクトリーメードですが、安っぽいマシーンメードではなくて、オーセンティックなハンドメードで大量生産されていましたからね。
そういった工場の写真も後々お見せしますが、規模がとんでもないですよ。もう一つの街でしたからね。一つのファクトリーには1万人以上いたのですから。
ユニクロと言うより、TOYOTAのほうがイメージしやすいかもしれませんね。

そういった話は後に取っておきまして、件のジャケットをまずは見ていきましょう。

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非常に重たいクラシカルな生地です。この柄も時代間が伝わりますよね。
これは50年代前半といった感じでしょうかね。

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基本的にポケットのディテール、アンダーカラーの仕様等も40〜50年代からずいぶんその型が固まってきた印象があります。
このジャケット自体はピークドラペルにリンクフロントですし、生地自体も少々ハデな仕様、ミッドナイトブルーで少々夜の為のジャケットといったニュアンスがありますね。ビジネス仕様ではないです。
今のスーツのクラシックな物は40年代〜50年代のものをそのひな形と考えても良いと思います。今20〜30年代のものをコピーするとクラシックですけども、逆におしゃれ着にまで振れてしまうくらいです。
20年代〜30年代はよりディテールや仕様が揺れ動いていますから、そりゃおもしろいですよ。しかし、やっぱりもう一段階古い物というヴィンテージ感があからさまに出てきますから、どうしても街中では目立つでしょう。
普通のスーツだとしても、目立つのだからやはりその時代が持つ個性なのでしょうね。

上で書いていて違和感もあったのですが、"紳士服" という言葉はいささか使いづらい言葉ですよね。かといってセットアップという粗雑な言葉を仮にもSavile Rowの人間が積極的に使うわけにもいきません(地元の友達と話すときには使いますけども。結局それで伝わりますからね。)
そもそも "スーツ"と言うときはだいたいがビジネススーツの事だと思うのですが、実際はビジネスには向かないスーツもたくさんあるのですよね。または日本にはリクルートスーツやら、喪服やら袖を通すのにまず気が進まない物まで多くありますよね。(バレンタインチョコ的なモノウルタメの文化なのでしょうね。)

そもそも今のスーツはラウンジでゆっくりくつろぐような物でして、"ラウンジスーツ"と正式には呼ばれていたぐらいですから、ビジネスにはそぐわない(またはビジネスに着るにはもったいない)のですよね。そういったビジネスではないスーツは今またしっかりと"ラウンジスーツ"と呼ぶ方が確実にしっくりきますよね。
まぁ、大人のラウンジにそぐわないものは"セットアップ"でも良いのではないでしょうか?
それでもやっぱり、"紳士服" はおかしいですよ。そもそも、スーツ量販店さんが"紳士服"を一番使っていると思いますが、<間に合わせ>のための駆け込み寺的量販店は国道沿いの作業着屋さんとして使用される場合が多いと思うのですよね。
紳士が行かないとは言いませんが、そういったお客さんが来るようなマーケティングでビジネスはしていないと思いますよ。もう"紳士服"は時代に明らかにあっていないですよ。むしろ、紳士だってadidas着る時代ですから。

そして"ビジネススーツ"もどちらかというとビジネスクラス的な箔があるくらいが丁度いい気もしますよね。フルビスポークではないにしろ、"MTMですけど?" くらいなクラス感は欲しいですよね。
ということはですよ、社会人一年目等が量販店に駆け込んで買う、Grab & Goなスーツは"エコノミースーツ" で良いでしょうかね?
そうなってくると俄然 "ラウンジスーツ" がエグゼクティブなリラックス的意味合いを持ち出してきますね笑。


まぁまぁ、やいのやいの言っておりますがね、古いビンテージのスーツなんかは今のビジネスにはそぐわなかったりもしますが、ラウンジスーツって今のビジネスシーンをそもそも想定してませんよねってお話ですよ、今回は。
スーツ=仕事、では寂しいですよ。その思考自体が紳士的ではない気がいたします。
ぜひクラシカルな装いが好きな人にはこういった上着にも挑戦してもらいたいですね。
経験値は確実に上がるとおもいます。
そして、がんばってそのジャケットにあったトラウザーズも探してみてください。