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column


もう完全に開き直り"おまけ"にしてしまいました。あまり期待しないでお楽しみください。

さて、今回登場しましたDavies & Sonのコート。以前にもDaviesの50s3ピーススーツの一部を紹介したのですが、実は何着かのDaviesが手元に残って居るんですが、基本ふるいものでして、意外と新しいDaviesは持ってなかったりします。

私自身も、Daviesに関しては昔からSavile Rowにあるテーラー、位の認識だったのですが、この際にウェブサイトをのぞいてみました。エスタブリッシュは1804年。
もうバーバリー、アクアスキュータムが新しいブランドに見えるほどです。
ブランドヒストリーを読んでみると、これまた新しい発見がありました。(詳しく知りたい人はDaviesのウェブサイトでヒストリーをご覧ください。)

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"The oldest independent tailor tradind on Savile Row" と完全に一節目から謳っているのですよね。
今の時代、こういう<The ○○est>を使うのは正直難しいんですよ。一歩間違えますと裁判沙汰ですし、しっかりとした証拠がそろわないとその裁判でも勝てないわけですよね。
とくに、この"The oldest independent tailor tradind on Savile Row"の文句はHenry Poole の専売特許だったような"気"がしておりましたし。

私もコレはちょっと香ばしいぞ、と持ち前のセンサーが働いたわけです。

実はSavile Rowがご存じのような今のSavile Rowになるには時間が掛かっております。
テーラーはメイフェア界隈に散らばっておりましたし、Savile Rowは( 当時はSavile Street) 18世紀中盤、1700中頃はまだ、主に軍関係の人達が住んでいた住宅街だったようです。
Daviesの歴史でも出てくるCork Streetも有名です。かのヘンリープールも長い間この住所にお店がありました。

Davies自体もHanover Squareに長くあったわけですけどもね。

私が認識しているテーラーのタグにある住所で有名なメイフェア界隈のストリートを、ざっと言いますとこんな感じです。
(スマフォをお持ちの方は今地図アプリでSavile Rowを出して見ましょうか?)

Savile Row から一本左に行きましてOld Burlington St、次のCork St、そしてBond Stですね。この辺りは皆様も余裕でしょうか?
その次のAlbemarle Stの住所のテーラーは見たこと無いのですが、次のDover Stもショッピングストリートで有名でしてテーラーもありました。
その辺りから一つ上(北)のブロックに 行きますと、有名なSaint George Stがあって、それを道に沿っていきますとHanover Squareに突き当たります。角にVogueビルディングがある今でももちろん有名なスクエア(要は広場)です。
Savile Row から、下に行くとSackville Stが有名ですね。
横に走っているストリートはちょっと細かくなってしまいますから、把握しずらいところですけど、有名所だと下からClifford St、Conduit St、 Maddox Stあたりでしょうかねぇ。
生息地 "メイフェア界隈" と言うような人であれば、この辺りは目をつぶって歩けるでしょうね。
これらはリージェントストリートの左側の話でして、小さい下職のワークショップは右側のSohoにもあります。テーラーのショップもSohoに今ではいくらでもあるのですが、昔のタグでは比較的Sohoアドレスは少ないかもしれません、あくまで私の認識の範疇ですけどもね。
簡単に言いますと、そういったものを一緒くたにSavile Row Tailors的な感じでまとめて言ってしまっている感じでしょうか?

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Daviesは、"ブランドの創世記の1804年はHenry Poole がSavile Rowに来る42年も前のお話しだ" と言っています。
事実Henry PooleはSavile Row、要はメイフェア界隈(Cork Stだったと思います)に来たのが1846年だったようです。
Henry Poole はそのエスタブリッシュを1806年と言っていますが、その当初ブランドは大英博物館周辺のエリアにありましたから、ちょっとSavile Rowを名乗るにはバスに乗っても時間掛かるし、遠すぎるんじゃない、といった具合でしょうか?
そもそも、ブランド創設がメイフェア界隈じゃないですよね?っといったお話しなのですね。

昭和後半生まれ、北海道出身の私には随分と遠いお話しですが、そういったことらしいです。200年以上前のロンドンはウエストエンドのお話しですからね。
もう本当にハリーポッターの世界のお話しですよ。そのとき北海道では熊が鮭しかとってませんよ。
ロンドンではラペルの形がどうのこうの話されているときに、この熊は月の輪っこみたいなもんが胸に見えっから、ツキノワグマってなぁどうだ? なんて北海道では話されていたわけですから、私も遠くまで来たものです。

まぁ、そんなことはさておき、それではHenry Pooleのウェブサイトではどう言っているのでしょうか?


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これまた、意外ですが、実はHenry Pooleは 一切 "The Oldest" と言っていないんです。

これ、実はどうやら、"The oldest independent tailor tradind on Savile Row" はHenry Pooleである、というのは消費者の思い込みなわけです。

いやいや、以前はそう主張していたように思ったのですがね。

アリスにも話してみたら、彼女もそう思っていたと言いますし、絶対Henry Pooleはそう言っていたとアリスも言っています。もしかするとDavies側の主張にかなわなくて、そう言えなくなってしまったのかもしれませんね。

あとは、昔からそんなことをHenry Poole側は一切言っていなかったが、何かのメディアでそのようにとりあげられ 、それを鵜呑みにした読者から広がり、そのような印象が我々にも残ってしまったのかもしれません。
そうなってしまうと、そういった出所、原因究明は私の手に負える範疇を超えてしまうのでどうしようもないのですけれども。。。

<The ○○est>とか、<一番最初に〜>ってやっぱりそう一筋縄ではいかないのですよね、以前も話したトレンチコートのAB論争ではありませんがね。そういえば、ジョッパーズの話もしましたよね笑。
普通は何かしらの根拠がなければ、こういった非常に強い主張は避けるものですよ。
とりあえず、このThe Oldest Independent Tailor on Savle Rowに関してはDavies&Sonで落ち着いているようではあります。
なにかまた、こういった香ばしい素材が見つかれば、お話ししてみたいと思います。