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前回までで、何となくでも"マッキントッシュ"という言葉の意味が分かってきていただけていれば幸いですが、どうでしょうか?
それでは私のゴム引きコートは、こんなモノになります。

サルト_ゴム引きコート

サルト_ゴム引きコート


ちなみに、前回までに言っていなかったかもしれませんが、"ゴム引き"は英語ではRubberise;ラバライズ(米では-ize)。ゴム引き"された"生地のコートですから、この動詞の過去分詞である"ラバライズド" を使いa rubberised coat になりますね。

ゴム引きって今では軽いのが主流ですが、(それでも他に比べれば重たいと思いますが、)昔のはそもそも重たい生地にゴムを引いているため、まぁそりゃ、重たい。
ウォータープルーフなんて、今ではこんなに重たい仕様にする必要はありませんから完全に過去の遺物といった具合でしょうね。
そして、そもそもゴム引きコートはテーラーリングの課程でどうしても接着材を使用しますから、そのへんの劣化も早い。
普通の洋服に比べそもそも寿命が短いわけですよ。メンテナンスはプロに任せればいいわけですけど、ウール100%と比べると随分面倒な代物です。
そもそも洗濯でさえお店を選ぶ。基本はドライクリーンのお店でもNOという始末ですから。
本当は、基本洗う必要が無いのかもしれませんね。肌に触れないように着れば寿命は延びるでしょうし、雨の日にサラッと羽織るだけですし、泥がはねたなら、水で落とせば良いわけですし、話は簡単なんですけどね。しかし長いこと使用していますと、どうしてもポケット辺りは汚れますよね。
今の洋服は首元が露出しているモノが多いですから、襟付きのコートやジャケットなんかも首裏が汚れがちですよね。
わざわざSRCにお付き合いしてくれてる紳士の方はココでも五月蠅く言っていますのでその辺は気をつけ問題ないのかもしれません。
しかし使い捨ての洋服が全盛の今ですから、洋服をどのように着ようが、ワンシーズン前のモノをドライに出すのならリサイクルに出して、買い換えるのが今の普通なのでしょうけどもね。
そう考えれば考えるほど、ゴム引きコートは無用の長物以外の何物でも無いような気さえしてきます。

そんな時代ですけども、この旧世代の洋服、ゴム引きコートは独特の雰囲気やエイジングが楽しめますから、今の洋服にはない玄人が楽しめる要素もまた沢山詰まっています。
メンテナンスが面倒なモノだからこそ好きという方もいるのかもしれません。
どうしても、ヴィンテージを買うとなると状態が気になってしまいますから、自分でどうにかするしかありません。まっさらなゴム引きを見つけるのは難しいものです。
何着か所有しているコートの中にこういった一着があったらおもしろいかもしれませんね。
私は寒い雨の日、且つ気分が乗ったときにしか袖はとおしませんけども、サイズ感もパターンも気に入ってます。

サルト_ゴム引きコート

サルト_ゴム引きコート

糞デカいフレームドパッチポケットWithフラップ。
この辺のディテールも可愛らしいです

サルト_ゴム引きコート
ストームカフ仕様。

サルト_ゴム引きコート

1953年製。
このタイプのコートはちょこちょこ見受けられます。特別レアというわけでもありませんが、どこにでもあるというモノでもありませんね。
ディテールがメンズですけども、表記がBreastになっているんですよね。
ミリタリーモノではウィメンズにチェストではなくブレストと書いてある場合が多いかもしれませんが、別にBreastは男女双方に使いますから難しいところです。
5ft11はもろに私のサイズですから、50sの女性でこのサイズ感で服は作らないとおもいます(笑)しかしサイズ表記は17。
このサイズ表記も色色とアイテムで違いますから、何とも言えませんが、随分と大きい数字に思えます笑。
まぁ、何とも言えません。
私にはびったしのサイズ感ですから問題ありません。

サルト_ゴム引きコート
Regganwearというスコットランドのもの。
やはりゴム引きはスコットランドなのでしょうか?
マンチェスター辺りのサプライヤーもよく見た気がします。


サルト_ゴム引きコート

サルト_ゴム引きコート

サルト_ゴム引きコート

サルト_ゴム引きコート

ディテールや雰囲気も良いですよね。

本格的なゴム引きウェザープルーフのコートなんかは、WW2仕様のモーターサイクルコートなんかも有名ですが、気になってネットオークションで買った方でそれを着て一度でも外出した方はいるでしょうか?
おそろしく重くて堅いコートですからね。
それに比べれば、このコートはオフィサー用なので全然着やすいですから古いモノに耐性のあるかたであれば、サイズが見つかれば、買っても良いと思いますよ。
しかし今のMackintoshを想像してネットでの購入を検討しているのなら辞めた方が良いとおもいます。
別物ですからね。

それにしても今敢えてゴム引きのコートを着る人達はホント特殊な気もしますよね。
まぁまぁ、それが良いではありませんか。
こんなに着る人を選ぶようなコートは是非10選のなかにいれたい所でしょう。
そうなんですよ、コートがあなたを選んでいるのですよね。そしてそのコートに我々が着られている。
ゴム引きコートはもうそれで良いのかもしれません。

ちょっとオシャレなお兄さんが "お前は洋服に着られてるから、ダサぇんだよ!
" なんていう大衆チェーン居酒屋でのシャウトは昔よく聞いたロッケンロールですが、私はもうね、洋服に着られたい。

それはもう抱いてくれるのを待っている女性の気分ですよね。そしてそんな女性心を女性目線で歌う山下達郎、またはさだまさしですよね。

雨を待つコートと白馬に乗っている絶倫王子を待っている乙女、そしてそんな訳の分からないことを語り出した中年男の私。

ゴム引きコートは山下・さだ、なのですよね。日本の昭和フォーク×スコットランドな感じです、、かね?

SRCではそんな初春の物語をお送りしております。