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SARTO

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column

本当のことを言ってしまいますと、私はあまりピーコートを着ません。
正直ハンドメードの上質なコートに慣れてしまいますとピーコートには戻れないと言いますか、大人になりすぎたと言いますか、年を取ったと言いますか。
アイテムとしては好きですし、フォルムも好みですけど、コートレールに掛かっていても正直あまり袖は通しません。
40sくらいだと良くも悪くもアメリカの大量生産の作り込みのためでしょうか?
ジャストサイズのクロスポケット付き20世紀初期型のピーコートにはまだ袖を通したことがありませんので、是非一度機会があれば着てみたのですが、そうかんたんではありません。欲を言えば欲しいのですが、イギリスではそう簡単に見つからないですし、そもそも見つけたとしてもプライスタグを見るのが怖いですね。
できればアマチュアから買いたい。見つけ次第その感想報告します。
古き良きアメリカンプロダクトは私も大好きです。
お世話になっております、をさないです。


サルト_ピーコート

サルト_ピーコート

この6ボタンピーコートはどうでしょう?
よく見る既成品のそれです。

サルト_ピーコート


グロヴァーオールのヴィンテージ70sくらいでしょうか?

今回これを紹介するのは別の意図があったわけですけども、皆様お分かりでしょうか?

A Genuine Reeferと赤字で書いてあるのが分かると思います。
Peacoat、またはPeaJacketでもないわけです。

この前回も出てきた、この"リーファー"というのが聞き慣れない単語過ぎて日本人は困惑してしまうのではないかと思ったので、ちょっと私がイギリスで生活をしている感覚でここら辺のボキャブラリーのお話をしてみたいと思います。


サルト_ピーコート

まず、皆さんは"ブレザー"と言われて何を想像するでしょうか?
根っからのファッション通やわざわざこのSRCにお付き合いしてもらっている服狂人の皆様は原稿用紙の一枚くらいは簡単に埋めてしまうくらいうんぬんかんぬん意見があるかもしれませんが、一般では"単品のジャケットでしょ?"くらいの物でしょう。
いやはや、それはたんなるジャケットではないのですか?
下と揃いであろうが無かろうが、ジャケットで間違いないとおもいますが、そのへんどう区別をつけているのでしょうか?

そのジャケットがブレザーになるには何かしらの理由があるはずです。

私はそのジャケットがウェアラーの所属を明らかにしてくれる物である場合、それが"ブレザー"(本当はブレイザーです。英語では気をつけてください。ブレザーと言っても一生通じません。)

色々辞書を調べてみましたが、一番しっくり来たのがこれでした。

<〜A blazer is a kind of jacket which is often worn by members of a particular group, especially schoolchildren and members of a sports team.〜

Collins COBUILD ADVANCED Learner's の英英辞典より>

要はそのジャケットがあなたはどこに所属しているのかを伝えてくれると言うわけです。
スクールブレザーは胸のパッチポケットにその学校のマークが刺繍されていたりしますよね。スポーツクラブも同様です。
レジメンタル柄、要はストライプもその色であなたの所属を明らかにしてくる物であるから、ブレザーにはストライプが多いのです。
メタルのボタンもそこにイニシャルなどを彫りあなたをより明らかにしてくれます。
もちろん、ダブルでもシングルでもかまいません。

実はこれらを鑑みますとブレザーには"若さ"のイメージがつきまといます。
もちろん、ゴルフなど大人が所属するスポーツクラブもありますが、実際多くのスポーツクラブは大学生までが非常に多いものです。

"ブレザーは若者が着る"というイメージがある程度イギリスにはあります。

その結果、ほとんどの古いカッティングの本では"Blazer"という単語が出てくるのは子供服の項なのです。

大人は普通のジャケット、またはダブルのジャケットをそのまま単品で着るでしょう。それらが"Reefer"と呼ばれるという寸法です。

イギリスのTailor&Cutter、MTOCを読めば何となくそういった雰囲気が伝わります。ダブルブレステッドジャケット、というよりリーファーといった方が早い。
もちろん、今では古めかしい言い方ですのでそう言う人は少ないですが、全然通じます。


サルト_ピーコート


それでは今見るダブルのジャケットを単品で使うような場所やファッションってそもそもどこからでしょうか?と考えたとき、もう答えは海軍となってしまうのですよね。そしてそのほとんどはメタルボタンを使っていたりします。

ここら辺の"リーファー"というボキャブラリーは非常に意味が揺れ動いている気がします。
言葉は生き物ですから、昔はこういう意味だとしても今ではピーコートの事をリーファーと呼ぶという人もいるでしょうし、辞書でもセーラーが着ているジャケットをリーファーと呼ぶとしている物もあります。
MTOCではダブルのジャケットはリーファーと呼んでいたりしますから年代によってもその言葉からイメージする物が違うのだと思います。言葉のもつファッション性ですね。

言葉の持つ意味は変わりますし、それ自体にファッションがあります。イギリス英語由来のカタカナでも日本ではまた違った物を想像したりもします。

あなたはこのアイテムをリーファーと呼ぶでしょうか?それともピーコートと呼ぶでしょうか、もしくはダブルのジャケットと呼ぶかもしれません。

伝われば良いんです。もちろん合コンでリーファーと言っても"ファッ?"ですけども、サヴィルロウテーラーのラウンジでは普通に会話が成り立ちますから、場所によって言葉は選ばないといけないとはおもいます。
そこら辺がセンスと呼ばれる物なんでしょうね。

もちろん、サヴィルロウで"リーファーが欲しい"と注文してもどういった物なのか詳細を詰めなければ、カッターさんとイメージがずれる可能性は十分ありますからお気を付けくださいね。