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column

お世話になっております、をさないです。
今回はコートの中でも特に皆様にもなじみの深いピーコートなんてどうでしょうか?
有名なコートですから、別にファッションに興味が無くても過去に着たことがある人も多いでしょう。
トレンチコートよろしく、その出自の蘊蓄を色々語りたいアイテムの一つかもしれません。しかしトレンチコートほど深く語られることも少ないので、意外と留意してこなかった方々もいることでしょう。
今回はそんな復習の意味も込めてお送りしていきたいと思います。

サルト_ピーコート


まず、エスカイア百科事典のピーコート/ピージャケットをみてみますと、、、
オランダ語のPijというウール素材が名前の由来になっているようです。
さほど詳しく書かれてはいませんが1850年くらいまでにアメリカやイギリスでも人気になったということ。
アルフレッドさんというファッショナブルな人が雨の日にレインコートを忘れ、セーラーが着るリーファーを買ってうんぬんかんぬん。。。
と書かれてあります。

正直言いまして、エスカイア百科事典は基本アメリカ物ですので言葉がイギリスとは違ったりしますし、少々困惑することもあるのですが、そんなこんなで、よく分かったような、だからなんなのだ、というようなそんな感じです。

要は厚手のブルーのウール生地のダブルのショートコートです。

ちなみにピーコートは英語では Peacoatなのですが、正直イギリスのTailor&Cutter、その他の古い文献を除いても今までにその言葉を見た記憶がありません。あくまでテーラーリングの本ですが、昔のファッションの本はテーラーリングの要素が強かった物です。
それの大体がReeferとなっています。
そして、イギリスでリーファーと言えば海軍で着るメタルボタンのダブルのブレザーを想像します。
ですので、今皆様が想像するピーコートは "アメリカンネイヴィー" のそれなんです。

イギリス人でも今はPeacoatと言えばそれを想像します。
私たちの工房にも一度ピーコートのオーダーが入ったことがあります。カッターはもちろんピーコートと言っていましたね。ちなみにブルーのキャメル100%で作りました。
まぁお洒落なオーダーですよね。奥さんがこれまた有名なイギリス人ファッションデザイナーで、自身もまた有名なフォトグラファーですからね。

まぁ、そんな話は置いておきまして、ピーコートはUSネイヴィーの物がオーセンティックなのだから、そこを見ていけばいいのだなと言う話でした。

サルト_ピーコート


ヴィンテージのピーコートはそのディテールで簡単なデイティングが可能です。
知っている人は知っているような分かりやすいディテールです。
もちろんすべて私も把握しているわけではありませんし、細かい違いもあるようです。
19世紀のピーコートが良好な状態で見つかる事はほぼ無いといたしまして。
分かりやすいディテールの確認としましてはまず初期の13星ボタンの物だと思います。
当時は10ボタンでそのボタンにアメリカ独立の象徴である13個の星がデザインされた物です。
このボタンの数も新しくなると10個から8個になったりします。もしかしたら6ボタンもあるのでしょうか? 今であれば6ボタンも普通でしょう。
写真の物は13星の付いていない10ボタン物。
40sといったところでしょうか?別にどこでも比較的簡単に見つかる物でしょう。

サルト_ピーコート


ハンドウォーマーポケットのバッグはコーデュロイ。新しい物は色が違ったりします。ここら辺もアイコニックデティールです。もっとも新しい物ではコーディロイではありません。もっと古い物だと普通にウールを使っていたりしますし、30s以前ではハンドウォーマーの下にフラップ付きのクロスポケットが付いていたり、そのフラップの形が違っていたりと特徴があります。
この辺りの20世紀初期のピーコートを着ていたら街でも目を引くかもしれません。

サルト_ピーコート


チンストラップももちろん完備。この辺も忘れてはいけないディテールです。
取り外しが容易なため失われているアイテムもありますから、チェックしたいところです。

サルト_ピーコート

通常のアンカーボタン。

生地はピーコートではお馴染みのKersey Woolというやつです。昔のものは手触りが違う等、話はありますが私ははっきりといつからいつまでKersey Woolが使われているか分かりません

後はタグが細かく違っていますから、そこでもデイティングが可能です。その辺は気になった方が各々調べてみてください。

次週はもう一つのピーコートを見てみましょう。