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column

あまり夏っぽくない夏を送っております、お世話になっております、をさないです。

夏本番ですが、今年の冬はどういったコートを狙っておりますでしょうか?
オシャレな人は俄然提案多めでお送りしてきますが、提案と提案の間にこれでもかと言うほど"打ち出し"てもきますから、毎シーズン楽しみでなりませんよね。

私もどんどん新しい提案を打ち出していきたいなぁっと思っております。
来年辺りにはこのSRCが♯ファッションで一番打ち出してくるコンテンツになっているかもしれませんよ。そうなったときには、どの角度から見ても私はオシャレのはずですが、どうなっているでしょうか?
きっと寄って見ても離れても見てもオシャレな事だと思います。毛根を見ても、グーグルマップで見つけてもオシャレですよ。
その頃にはヴィクトリアズシークレットのエンジェル達の画像を検索したら10枚に1枚は私であること願っております。

ヴィクトリアズシークレット エンジェル ハプニング で検索したら、
もしかして Savile Row Calling をさない !? とグーグルのAIも誤作動しますよ。

もうたいへんです。


さて、ふざけ疲れましたので真面目にコートを見ていきましょう。

ポロコート_サルト

ポロコート_サルト

もう雰囲気からして違いますよね。
50sのヴィンテージヴィキューナ100%のオーヴァーコートです。
Forstmannは今もあるのでしょうか?1904年からあるようで1950年辺りが最盛期だったようだと記述している記事を読みました。
Neiman Marcusはアメリカのデパートメントストアですね。このタグはあまり見かけないタイプのようです。
今のような筆記体のタイポグラフィでは無いですからね。1907年から1950年
辺りまではブロック体の物が多かったみたいです。

後、デイティングに関して言えば、写真には写っていませんが"ユニオンレーベル"が内ポケットの中にありましたからそこで50s前半だと確認もできました。

ポロコート_サルト

ポロコート_サルト

ポロコート_サルト

ユニオンレーベルでのデイティングにつきましては、このように探せば色々と文献がありますから、興味のある方は各々で自習と致しましょう。

もうお分かりの通りアメリカ物です。フルビスポークでは無いとおもいますが、非常に丁寧なハンドメイドです。

まぁ、ヴィキューナのコート自体そう簡単に目にすることも手にすることも無いわけですけども、それがヴィンテージのヴィキューナになれば余計に難易度は上がることでしょう。これは状態も良いですよ。
20年30年とヴィンテージディーラーをしている人でも触ったことすら無いレベルだと思います。
テーラーだとしてもヴィキューナは一年に一度触れませんよ、実際。
サヴィル・ロウのカッターさんの場合だとちょっと話は変わってきますが、どうでしょうかね〜。

100年以上前のカタログや、カッティングの本などにも"Vicuna"の文字は出てきますから、もっと古いコートが見つかることもあるはずです。
しかし難しい物です。80年、90年前のコートがあったとしても、その生地がカシミアではなくヴィキューナであると手触りだけでは判断つかないでしょう。もちろん、そういった時代には生地を教えるタグをわざわざ付属させるテーラーもいないでしょうから余計に困難です。ヴィンテージのカシミアですらそう簡単にお目にかかれないのですから、それを見分けるとなると頭が痛くなりますね。立派な顕微鏡で繊維を調べるしかないかもしれません。

そんな困難が極める中、私がこれをどのように見つけたかと申しますと、ロンドンの普通のヴィンテージショップでしかも何件かあるようなチェーンのショップで見つけたのでした。
別にたいした価値のあるヴィンテージが並んでいるタイプの古着屋さんではありません。
要は売っている方もそもそもプロでは無い古着屋です。ファッションに興味のある学生がバイトしているような感じのお店ですね。そういったお店はホントにたまぁ〜に掘り出し物があります。
このヴィキューナのコートにしたって、隣にかかっていた何てことはないカシミアのコートよりも安い値札が付いていましたからね。そして私はその値段から何も知らないふりをして20%ほど値切っています。

私は天国には行けないでしょうね、きっと。

ポロコート_サルト

ポロコート_サルト

フレームドパッチポケットWith フラップ。
しっかり仕事がされているポケットですよね。この手のポケットが付くオーヴァーコートは"ポロコート"なんて呼ばれるのが有名ですね。
ポロコートにつきましてはもう皆さんもよく知っているところでしょう。
1920年代後半くらいからアメリカで流行ったコートです。厳密にはキャメルカラーのものをそう呼ぶとされているようですが、リッチなナチュラルヴィキューナカラーでもそう呼んでかまわないと思います。

そういえば、随分前に私がエスカイアのメンズファッション百科事典を探していると書いたのですが、随分と時間はかかりました。今はすでにそのオリジナルの英語版が手元にありますので、必要があれば、訳してお伝えいたします。よりリッチなリファレンスでSRCをお楽しみください。
ですけれども、このポロコートについて訳していると、ちょっと重たくなりすぎますから今回は止めておきます。探せばその辺に転がっている情報でしょうし、皆さんもご存じのことだと思いますからね。

ちなみに私はイギリスで未だに"ポロコート"と聞いたことがありませんし、無論アメリカで流行った物ですから、アメリカ物です、が一番初めにアメリカでこのタイプのコートが紹介されたのは、ポロの国際大会(ニューヨーク州のロングアイランドで行われた。)でこれを着ていたイングランドチームだったみたいです。

ポロコート_サルト

ターンバックカフも色々バリエーションがあります。
オーダーの時にターンバックカフと一言で言っても、あなたが想像していないカフができあがる可能性もありますから、もしも絶対に欲しいデザインのカフがあるならしっかりとその意向を伝えた方が良いと思います。
お店にサンプルもあるでしょうからそういった物を見ながらでもいいでしょう。

ポロコート_サルト

ポロコート_サルト

長めのベントにはボタンでその長さを調節できる物もあります。
ボタンホールも手で仕上げられていますね。

ポロコート_サルト

ラペルもアンダーカラーもパディングスティッチはハンドで行われています。
贅沢なのはカラーメルトンではなく共地のヴィキューナで下襟を仕上げているところですね。
もちろん綺麗に手で纏られています。
ほとんどフルビスポーク仕様の既成品だと思います(内ポケットのタグを見た感じです。)が袖丈などの簡単なフィッティング、または簡単なメジャーリングはあったかもしれませんね、。それくらい手の込んだ仕様のコートです。

ポロコート_サルト

なぜだか知りませんがアメリカ物はハーフラインドが非常に多いイメージです。
ヴィンテージのジャケットもハーフラインドであったらアメリカ物だと決め打ちしても良いくらいアメリカの物の可能性が高いです。
理由は分かりません。好みなんでしょうかねぇ?
オーヴァーコートなんてフルラインドで良いと思うんですが、アメリカ人にかかればもちろんハーフラインドになってしまいます。

裏表で表情が全然違うダブルフェイスの生地であれば、そういった裏面を見せる楽しみもあるのですが、ん〜どうでしょう。
アメリカは国民性と一言で片づけられないほど人種に多様性がありますし、気候帯も違いがありますからねぇ。

もしかしてカリフォルニア辺りの温暖な冬のためにミリオネアなお客さんが買ったコートなのでしょうか?
ヴィキューナのステイタスは欲しいが暑すぎるのでハーフラインド仕様だったとか?

サイズ感は私にバッチリなのですが、なにせゴージャスすぎて、一度も外に着ていったことはありません。
着たらもっぱら東アジア人面の私でもアラブの石油王みたいに見えますから、ロールスロイスを買って運転手を雇ったときにでも着ようと思います。

石油王みたいなファッションが気分の時ってやっぱりあると思うんですよ。そんなときはヴィキューナですよね。

あまりオシャレな提案の仕方ではありませんね。

"石油王なファッションはロールスロイスでヴィキューナです!"

やはり提案するときは7・5調でまとめる方がオシャレなようです。