SARTO

  • サルト_instagram
  • サルト_facebook

column

しばらくぶりにお洋服について書こうとおもっております。

非常にクラシカル且つサルトリアルなジャケットはもうすべてのディテールが出そろっていると思っております。
何か新しい試みをしたところで、過去を振り返ってみると既出だったりすることが大体です。
したり顔でヤッテミタ感を出されても、"50年代のアメリカでこういったジャケットがあったな"、とか "昔のレディースのディテールをコピーしただけだな" と既視感しかないのが現実です。

もちろん100年前と今とではそもそも制作においてのインスピレーションの元となる絶対数が違いますから、何か新しい物が生まれても良いとは思いますが、生地と針と糸、そして我々の手で出来る物にはそう違いが無いようにも思います。
何か違いが生まれるのであれば、機械化が進んだ既成品であり、我々が普段扱わないような新しい生地というフィールドだとおもいます。

例えば、絶対にほつれない無い生地が開発されれば、また根本的に裁縫の仕方もかわりますから、革命的な物が生まれ得ます。もしくは機械での裁断の際に何かしらの力(熱なのか、圧なのかはわかりませんが、)が加わることによって、一切ほつれなくなる生地であっても同じでしょう。(大資本がバックに付いていないと研究もなにも出来ないと思いますので、画期的的な物はもう個人の手では生まれずらいでしょう。)

ジャージーやスエット生地など、我々が取り扱わない生地が上流の社交の場で受けいれられていく可能性はどうでしょう?
今ではカジュアルな場での着用がメインですが、歴史ある生地ブランドが特別なジャージー生地やスエット生地を作りだしたら、チャレンジする上流もいると思います。そうなると、そういった一つも二つも階層の異なる社交の場で革命が起こるかもしれません。

技術革新が古い物を駆逐してしまう。

しかしながら、この古いインダストリーは未だに健在であるのも事実です。
昔から、似たり寄ったりの物を作っているのですが、まだまだ需要があるのです。

車や自転車があっても未だに馬に乗る人はいますし、競馬はロマンと語る人も多くいます。
馬にまたがる人、それを賭ける人。乗馬と賭博。なんとクラシックなことでしょう。世界最古の職業といわれる売春婦なんかもそうですよ。昔からありそして無くなりそうもない。
いくらテクノロジーが発達しても、根源的に人々が求める物は昔とさほど変わってなんていないのだとおもいます。

そういった、人々の美意識が根本的に詰まっている物を今後も追求していきたいと思っております。
お世話になっております、をさないです。

重苦しいお話はさておき、今回はライディングジャケット。別にたいしてお話があるわけでもありませんから、写真でも見ていただければそれで終了です。

ライカ沼の住人_サルト

ライディングジャケット(RJとでもしましょう)はハッキングジャケットともよばれます。ハッキングジャケットの語源は英和大辞典のランダムハウスでは1954年となっていますから、それほど古い言葉でもないようです。
このジャケットも見立てでは50sと言った感じです。

正真正銘のキャバルリーツイルで仕立てられています。これまた、今ではあまり見ない生地かもしれませんね。耐久力のある生地です。夏場には向きません。
意外と見たことも聞いたこともないという人もいるかもしれません。
気になる方はチェックしてみてください。仕立て映えする生地ですよ。
正直、この生地のお仕事が入ったことが無いので、世界的にもうあまり見る生地ではありません。今だとけっこう目立つのでは無いでしょうか。

ライカ沼の住人_サルト

RJの着丈は皆様の想像通り短めです。ボタンの配置も若干上がります。
このポケットは通常のサイドポケットに見えますがスラントポケットです。
一応、スラントポケットはハッキングポケットとも呼ばれますから、正当なデザインを求める場合はスランテッドの方が良いかもしれません。
写真取り忘れたのですが、後ろは深くとられたセンターベントになっています。

ライカ沼の住人_サルト
けっこうボロボロです。しっかり作り込まれています。
こういったトップカラーはあまり見ません。ちょっと変わっています。

ライカ沼の住人_サルト
作り込まれている感じはしっかり出ていますね。

ライカ沼の住人_サルト
カフは1ボタン。

ライカ沼の住人_サルト
斜めになっていますね。
アウトチケットポケットも付いています。

ライカ沼の住人_サルト
ライカ沼の住人_サルト
ライカ沼の住人_サルト
ライカ沼の住人_サルト

状態はこんな感じです。
普通のジャケットを普通に着ていてもこうはなりません。スポーツ仕様の使い込みといった具合です。
一張羅を使い倒すというのはこういうことです。

今の人は大枚はたいて買ったジャケットもサラッとヤフオクや今流行のメルカリで売ってしまい、ある程度着たし元は取れたかな〜何て感じでしょう。
まぁ、そういった感覚を否定しませんが、一着を大事に着たおさなければ絶対にたどり着けない場所があると私はおもっております。
モノにたいする愛着とでも言うのでしょうか?
10年、または20年愛用しているものはありますか?
ずっと納屋にしまっていて忘れていた20年前のもの、といった話ではありませんよ、ずっと愛用している物ですよ。
まさかヤフオクで売れないでしょう。
まぁ、10年以上連れ添った夫婦も離婚しますから、全くない話でもないんでしょうけど。。。。