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column

このステンカラーコートの由来も諸説あるので、皆様もよく分かっていないコートの一つと認識しているかもしれません。
私も大して詳しいわけでも何でもありません。とりあえずこれは和製英語で間違いは無いようです。
くどいほどに言い続けておりますが、とりわけオーヴァーコートの細かい名前は一種の記号みたいなものですから、そんなに構える必要はありません。私も基本あきらめております。

詳しく調べたいかたはステンカラーコートで調べてみてください。
とりわけ、バルマカーンコートの一種である、という説明をされている所もあると思います。

お世話になっております、をさないです。

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このまた、バルマカーンコートというのも今普通に私は使いましたけど、普通にイギリス人に使っても通じない単語ですね。
こういった単語は、言ってしまえば、とある専門分野の科学者が使う学術用語のような物なんです。学者には通じると言った類の物です、実際。

おもしろいのは、eBayでBalmacaan Coatで検索してもほとんどヒットしないんです。ヒットしてもどこの人間がやっているのかわからないバッタ屋的なアカウントがちょこちょこヒットするくらいで、あとのほとんどがFrom Japanになっていまい。
日本人の方がBalmacaan Coatと言う言葉を使っている様子です。

普通の英語ネイティブな人間がちょこっと自分の着なくなった洋服をeBayで出品する際、タイトルに"Balmacaan Coat" というボキャブラリーは出てこない訳ですね。
"ヴィンテージ ツイード ラグランスリーブ オーヴァーコート" 位で間違いないでしょう。

たとえばあなたは喉が渇いていて死にそうだとします。まさか、"ディハイドロゲンモノクサイド、ごめんなさい一酸化二水素をたらふくください" と人に尋ねるでしょうか?
要はそういうことです。

ちなみに、私が持っている、Tailor&Cutter、MTOC、その他イギリスのカッティングの古書にもBalmacaan Coatという単語は出てきません。
逆に言ってしまえば、日本人は英語は話せないが、一般人でも本当にトリッキーな単語を知っていたりするわけです。

前回も話しましたが、チェスターフィールドコートやクロンビーコートにしても同様です。アリスに聞いてみましても、私と出会っていなければ一生使っていなかった単語だ、と言っていましたしね。

日本でも一つの物が今と昔では別の呼び方であったり、男性と女性で呼び方が違っていたり、またはお洒落な人と一般市民でも呼び方が違ったりしますよね。
似たようなことは海外でもあると言うことです。
まぁ、イギリスのは日本のほど極端ではないとはおもいますが。

"あれ、これってちょっと前までは別の呼び方だったよね?" なんていうことは結構頻繁にあるでしょう。要は記号を変えて目新しくしておけばいくらかはアガリが出るというわけです。

要は "今、一番体に良いディハイドロゲンモノクサイド!爆誕!!" と言うことです。

別にバルマカーンコートという言葉を使うなと言う訳ではありませんよ。あなたの友達とある程度同じイメージをその言葉にて共有できているのであれば、使ってしかるべきであります。
ただ、警告と致しまして、そこを一歩離れると伝わらないことはいくらでもあります、というお話です。

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これはキルガーのビスポーク、60sのものです。最近までこのように長い名前でしたね。キルガーさん、フレンチさん、スタンバリーさんで始められたのでしょうね。どれもイギリスの名字です。
今あるサヴィルロウのブランドも歴史をたどれば色々な住所でやっていたのが分かります。だいたいがメイフェアーのご近所アドレスではあります。ドーヴァーストリートもそうですね。川久保玲さんのドーバーストリートマーケットの名前の由来も一店舗目のアドレスがこのストリートであったからです。
すべてロンドンのメイフェアー地区と言う訳です。

※ 前にも話したと思いますがSavile RowのRowは "通り"という意味ですから、"サヴィルロウストリート"ではないのでお気をつけくださいね 。
大体話した事は忘れていますから、そのへん聞き流しの方よろしくお願いします。

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真っ赤なライニング。表地はネイビーですね。上質なカシミア100%です。

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これが前回にも話した、ハンドウォーマーにアームピットダーツが入っているタイプですね。基本はこんな感じになります。

これは写真を見て分かるとおり貫通タイプのポケットになっています。正直英語でなんというのかわかりません。まぁ、このタイプでオーダーがありませんからしかたがありません。もしかしたら"Through Pocket"(??)とかそんな感じだと思います。(今後確認しておきます。)
色々本で確認しても出てこないんですよね、この名前が。。。
トレンチコートについているような簡易のタイプのなら作るのも簡単でしょうが、このタイプは作りが違いますから少々骨が折れますよ。

このように一級のヴィンテージビスポークガーメントを持っておくと、いざと言う時にいくらでも作る際に参照に出来ますから、珍しい意匠の物は出来る限りコレクションしたいものです。まぁ、ほとんど仕事ですから仕方ありませんよね。そうなんです、仕事なんですからね。まぁ仕方ありません。とりあえずそういうことにしております。

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ベントの状態はこんな感じです。

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このカラーも良くあるタイプですが、今のビスポーク物ではあまりやらないStand & Fall型です。
もしくはTurn Down Collarと呼ばれる場合もあります。あとはPrussian Collarと呼ばれますが、聞いたこと無い人がほとんどでしょうか? 100年くらい前の古書だとこう書かれていたりします。

Prussiaはプロイセン王国の"プロシア"です。この名前を聞くだけで古い物なのは分かりますね。

それではサヴィルロウにて "Prussian Collarで"とオーダーして通じるのでしょうか?

まぁ、若いアンダーカッターには通じないかもしれませんが、マスターカッターには確実に通じるでしょう。

しかし、"プロシアンカラー"と言っても一生通じないかもしれません。

強いてカタカナで書くとしましたら"プラシアンコラ−"

発音記号の読み方は簡単ですから、一度是非勉強してみてください。海外に行く人には絶対に役に立つと思います。

"いやまて、をさないRussiaはロシアだろ!?、Prussiaはプロシアでいいだろ!"

いやもちろん、カタカナではそれで良いのですが、発音記号をしっかり読むと、双方共 "ラシア"が正解なのです。

まぁ、これはLR問題という日本人特有の物がありますから、Lの"ラ"ではないので、Rの"ラ"はどちらかと言えば "ロ"に近いなぁというニュアンスで仕方なくこうなってしまったのだと思います。
しかし、発音上ではこのRussiaのuはワールドカップのCupのuと同じ"ア"ですから、残念ながら"ア"でないと点数は上げられないんです。

そして襟のカラーはイギリスでは"コラ−"に近い音になります。アメリカではカラー(特に最後のrは舌を巻き込んでくださいね。)ですね。イギリス人に襟を"カラー"とカタカナ発音しても一生通じませんから気をつけてください。
私も初めこの単語には悩まされました。なにせLもRも入っていますからね。

しかし日本人の一般的な英語学生が初めにぶつかるのは確実にPlayとPray(祈る、願う)でしょうね。
自分で発音も出来ないし、先生の発音を聞いてもどっちがどっちだか全然聞き取れないんですね。(特にイギリスアクセントの場合いっそう難しいですよ。)
ギターで言うFコードです。
ココを乗り越えれば英語が楽しくなってきます(笑)

とまぁ、こんな感じでしたが、一着のコートで色々話の広がりを見せましたね。

楽しんでもらえたのなら幸いでございます。