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column

最近は俄然文字数多めでお送りしてきましたが、今回はちょっと写真多めでお送りしたいと思っております。
そんな気分のときにはまだまだ続きます、噂のオーヴァーコートの件です。

もしかすると、このオーヴァーコートに関しては終わりが来ない可能性すらあるのではないかといわれておりますからね。
ご存知、雪国出身でございます、お世話になっております、をさないです。

さて、それでは今日のコートです。


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今回は敢えて"クロンビーコート"と呼んでしまいましょうか?
もちろんチェスターフィールドコートとよんでも差し支えないでしょう。

以前にも一度クロンビーコートについて軽く触れたのですが、覚えておりますでしょうか?
まぁ、こんな感じのコートです。
推測の域は出ませんが、このブランドタグが色々なコートに差し込まれているためにオーヴァーコートを"クロンビーコート"と呼んだのだと思います。
クロンビー社については各々で調べてみてください。
レインコートを"バーバリー"と呼んでしまうような感じでしょうかね。
正直言ってしまいますと、"チェスターフィールドコート"という言葉はそれほど英語圏で浸透していなかった節があります。
ちょっとこういっては語弊があるかもしれませんね。
非常に古くさい語感があったために、あまり使われていない時間が非常に長かった、といいましょうか、そんなかんじです。
今でこそ日本では当たり前ですし、その昔はイギリスでももちろんチェスターフィールドコートはコートの王道で間違いは無かったのですが、最近の若者が普段使うボキャブラリーでは無いようです。
それこそ今では流行もあり、Topshop、 H&Mでも"チェスターフォールドコート"として大々的に売られていたと思いますので、もっと一般的になった感じでしょうか?(売られていましたよね?10年くらい入っていないので確認はしていませんが、、、)
実際ここ数十年でみればクロンビーコートの方がメジャーなボキャブラリーだったように見受けられます。
いまでは、クロンビーコートとすら呼ぶ事は少ないと思いますし、実際若者はすべてオーヴァーコートと一括りにしているのが現実ではありますが。
まぁ、双方一般的な言葉では無く、あくまでファッション用語の一つくらいで日常生活にて使われる言葉では無いのかもしれません。
無論、テーラードコートと呼ぶイギリス人もいませんね。

それでは、お馴染み繊研新聞社のファッション大辞典ではどのように定義されているのでしょうか?

クロンビーコート 〜チェスターフィールドコート型のメンズコートの一種。特に1960年代終わり頃、英国の不良少年としてしられるスキンヘッズたちに愛用されたコートをこう呼ぶ事が多く、その生地にカシミアでメーカーとして有名なスコットランドのクロンビー社のものをしようしたところから、この名が生まれたとされる。フライフロントと深いセンターベント、脇のフラップポケットを特徴とし、表地は黒、グレー、濃紺のメルトンやウールモッサで裏地にタータンなどの柄物を用いたタイプが多く見られる。〜

スキンヘッズの写真集なんかを眺めていますと良く目にすますよね。この辺りの時代のイギリスの写真集は多いですか、簡単に見つかると思います。物によってはびっくりするような値段の物もあります。

要はこういったコートです。

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なぜか、私の中ではこういったハンドウォーマーポケットがついたチェスターコートがクロンビーコートというような印象があります。
3,40年前のビンテージコートでクロンビー社のタグがついている物にこういったスタイルの物が多かったからでしょうか。たまたま私がビンテージショップで目にする物がこういった物だったのだと思います。

非常に厚い生地でジェットポケットにフラップなんか差し込んで作る事は実際骨が折れますし、こういったハンドウォーマー型やパッチの方が作りやすいと思います。

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オーヴァーコートのヘムのライニングの処理はこのようにルーズなままの物と、しっかりと纏っている場合があります。細かく言いますと、ヘムの纏り方も大きく分けて二種類ありますね。

表生地の処理を見ていただくと分かると思いますが、細かいクロススティッチが手で施されていますね。一カ所でもこういった丁寧なお仕事がされていれば、ある程度全体の仕上がりも想像が出来るというものです。

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スリーブラインももちろん手で処理されています。非常にクリーンなフィニッシュです。
皆さんにもお馴染みなこのパッチは前肩を出す処理の為ですが、オーヴァーコートではそもそもサックフィッティングが多いですから、ハナっから前肩を出さないで作っている物もあります。ライニング上でもこういったパッチもなく、プリーツも入っていない物があるのはそのためです。

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首裏の処理、コンディションも非常に良いですね。

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アンダーカラーも丁寧につけられていますね。
既製品でもこの辺の処理は手で行われている物はよく見かけるようになりましたが、やはり値段はある程度高額になってしまうと思います。どうぞ、今手持ちの一番安いコートと高いコートの襟の処理を見比べてみてください。(双方たいした処理でないのなら、それはそれで仕方ありません。なぜそこまで値段が違うのかは別なところに隠されているのでしょう。中間業者がいっぱいいたりそういった作り以外の所なのだと思います。)
40s50s位までならハンド処理がデフォだった訳ですが、今では高級品を謳うオプションの一つという感じしょうか。

この写真だと、ボディーがチャコールグレーであるのがよく分かりますね。

本当に黒に近いグレーやブルーは太陽の光の下でないとしっかり確認が出来ない場合が多々あります。
そういうときは確実に黒だと分かるものを隣に置いて、それがどれくらいブルーなのか、グレーなのかを確認すると捗ります。

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ダーツは一切ないサックフィッティング。
ハンドウォーマーポケットの場合はフロントダーツを省くのは定石ですが、アームピットダーツを入れる場合はあります。今度お見せします。

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この辺の状態も良いですね。
この辺りの写真を敢えて載せていますが、理由は説明していませんでしたが大丈夫でしたよね?
コートを着ていればこの辺りは摩耗しやすいですからね。座る場合も絶対的に敷かれてしまう場所ですから。
着ていて鏡を見ていてもよく見えない場所ですし、確認しておいた方が良いですよ。ベント上部なんて気づけばほつれていたりしますしね。

非常にミニマルな感じでしたね。
まぁそのミニマリズム自体も1960年代くらいから成長したものですから、こういった本来のクロンビーコートの雰囲気なんかはノームコアに代表される現代のファッションにも良い感じにフィットしているのかもしれません。

好きな方はこういったコートも次冬の参考までに。