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column

いやはや、随分長いこと続いております、このオーヴァーコートの件ですが、さすがに飽きてきたことでしょう。
私はまだまだ話し足りないのでこのまま続けるつもりですが、今後どこかで息抜きも必要でしょうか?
お世話になっております、俄然雪国出身、をさないです。

それでは今週のコートはこちらです。

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タイトルにもあるのですが、前々から言っているとおり別にシングルチェスターフィールドコートでもいいですし、トップコートっと呼ぶ方もいるかもしれません。そのような丈感と軽快さは写真でも分かると思います。
一応、一番の特徴が完全なサックフィッティングにあるので、タイトルをこのようにしました。

このコートは写真では分かりづらいのですが、ダーツが一切ありません。あごくりダーツ(あご癖ダーツ?)、英名ラペルダーツの類もありません。
サイドパネル(サイドボディー)もありません。
非常にシンプルなオーヴァーコートです。
ちなみにこれは既製品ではなくビスポークです。まぁ、無論バサッと羽織るだけなのですが、ビスポークです。

状態はこの通りさほど良い物ではありませんが、私はこういったタイプのコートはこのぐらいは全然気にしないで着てしまいます。シティでのビジネスでは無理でしょうけども。
アンティークフェアにて二束三文で買いたたきました。

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ブラウンのツイードはヘリンボーンにオレンジのオーヴァーチェックがはいっております。渋いですよね。これは無論ヴィンテージものですけども、こういった生地は逆に今では結構旬な気分でしょうか?
リチャード・アンダーソンの今春夏のハウススペシャルの生地がヘリンボーンにオーヴァーチェックの物でした。
今でも探せば全然見つかります。

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状態は見ての通りです(笑)。
まぁ、こんなこというのもなんですけども、ツイードのコートはここまで傷んでようやく完成を見ると言ったところでしょうか。
人間の皺もツイードのほころびも、まぁ似たようなモノでしょう。
虫食いの穴はまた違う感じなので、少ないに越したことはないのですね。
虫食いはどうしても雰囲気が悪い。

サイドシームとセンターバックシームだけで構成されているのが分かると思います。

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フラップ裏はフランネル。
そして、ポケットの中にもう一つポケットがあるのわかりますか?
前にも言及していますが、このポケットがなんでしたっけ?

(小休止)

チケットポケットですね。
もうこの際言ってしまいましょうか?
"チェンジポケット"と言う言葉は我々は基本使いません 。アメリカでは知りません。(トラウザーズにはもしかしたらあるかもしれません。こんどカッターさんに聞いておきます。)
きっと、小銭を裸で持つのを推奨していないのと(汚いですし、衛生的にも生地にもそのほうが良いでしょう。)、そして今ではカードでの支払いが結局メインだからという理由でしょう。

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袖はワーキングカフ。
昔のオーヴァーコートでは意外と少ない仕様かもしれませんね。

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フロントのうち合わせ。
オーヴァーコートではシングルでもある程度ラップオーヴァーしたいので、ボタンの位置はこういった感じになります。

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Pope & Bradley 50sのものです。調べたところ2015年あたりはSNSもがんばってアップしていた模様ですが、現在FacebookのページではどうやらステイタスがPermanently Closedになっていますので、閉まってしまったのかもしれません。1917年創業でした。
どのようなビジネスでも100年続けるという事がどれほど難しいことなのかは誰でも分かることです。何かを10年続けることさえ難しいのですから、100年なんて気が遠くなりそうです。あと、少しで創業100年ですよ。悔しいですね。

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手縫いのピッチも細かくて丁寧です。
初心者でも一発でビスポークメイドだと分かる場所がこの辺りでしょう。
パディングマシーン(ハ刺しのミシン)と手縫いのパディングの違いは皆さま各々で自習という事にしておきましょう。そんなに難しい物ではありませんよ。

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イギリス物のインブレストポケットはだいたいこのようなダブルジェティッドになります。特に50sだと間違いないでしょう。

このボタン、<??>になった人は正解です。
これはシングルのコートでしたよね。ダブルであれば、内側にこのようなボタンがつきますよね(通常レフトサイドですが。)
これはスペアのようです。
ですけど、ビスポークのコートにスペアのボタンを付けるのを私はこれ以外に見たことはありませんので、実はあまり見ないものです。

ぱっと見では当たり障り無いコートですが、以外とおもしろいポイントが詰まっている一着です。