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column

Overcoatについてお話しているつもりですが、その他周辺のお話のほうが増えているような気がしております、お世話になっております、をさないです。
オーヴァーコートと言うようなアイテムは "ジェンツ" なスタイルには欠かせないアイテムでありますので、それゆえその周辺の理解も含めないことにはどうにもこうにもうまくいかないという理屈だと思っておいてください。
まぁ、そんな感じです。

そんなクラシカルなジェンツスタイルの理解を深めようと躍起になっておりますと、どうしても20s、30sのノスタルジックな時代に到達してまいります。
日本で言うと大正時代から昭和初期と言った感じでしょう。
当時の日本でも非常にバラエティに富んだファッションが見受けられますし、スーツもカッコイイ。現在の日本人よりもスタイルが悪かった時代の人達ですから、そういった意味では今見てみても参考になります。

前回ではそんな1920〜21年秋冬のヘンリープールを見たのですが、実は22〜23年のヘンリープールも手元にありますのでせっかくですから見ていきましょう。

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ホワイトタイとブラックタイですね。ココらへんをまた一から説明することは皆様には野暮というものでしょう。
新社会人の方々は各々勉強(ジブンデググレ)してください。そこら中に1〜100まで有る事無い事書かれておりますから、参考になるところだけ参考にしてみてください。
ちなみに、ホワイトタイと呼ばれる格好が "Full Dress"になります。ディナースーツ(タキシード)は準礼装です。野暮でしたが、一応確認までです。

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左のコートを着た紳士は二人共タバコを吸っておりますね。それも込みでのスタイル画なのでしょう。
正直言ってしまいますと、わざわざイラストに描く必要があったかどうかはわかりませんが、今の日本でこういったイラストを描きますと、ガチ嫌煙勢がブランド側にバンバン苦情の電話を入れることなのでしょう。
2020年くらいのカタログではヘンリープールもアイコス吸ってる紳士をやはりイラストに使うのでしょうか?
それでもまだガチ嫌煙勢はクレームをいれるのでしょうね、きっと。
そういった人達は東京オリンピックまでには英語を覚えて、路上喫煙しているタトゥーがバリバリの外人にも英語でまくし立ててくれるのでしょうか?
そこまで意識が高い系であればスキンヘッドのロシア人にはロシア語で怒鳴りつけていることでしょうね。そこまで、語学が堪能な人はクレーム入れている暇なんて無いでしょうけども。

とまぁ、そんなことはいいのですが、彼ら2人はパンプスを履いているっぽいですね。冬だと寒そうですよね。しかし、そのまま夜会があるなら、当時はやっぱり冬の寒い街もパンプスで歩かなくてはならなかったのでしょう。

左の三人はスーツな格好ですが、一番右のライディングスーツにつきましては、まだ言及したことがありませんよね、今後やる予定でいますのでお楽しみにしていてください。ガチのライディングアウトフィットについて話しても日本の殆どの人が興味無いでしょうから、<テールコートVSライディングコート>でより作り方に焦点を当てたいと思っています。

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これは随分スポーティなスーツです。左の方を見ても解ると思いますが、ゴルフですね。
背を向けている彼はヨーク付きのアクションバック(背中にアクションプリーツが入ったもの)ですから、随分スポーティです。
下はプラス・フォー。
現在こんな感じで実際ゴルフをしていたら相当浮くでしょう。もしやるのならハンディキャップがシングルになってからでしょうね。
実力がともなって、こういった格好をしていれば相当かっこいいと思います。ウッドシャフトのヴィンテージクラブでもってパーで18ホール周った日にはクラブハウスの人たちが神扱いするのではないでしょうか?
下手な人は絶対にやってはいけませんよ。
しかしながら、どうしてもこういった格好がしたいというのなら、"ツイードラン" 辺りに出れば良いのではないでしょうか?
まぁ、世界にはきっと"ツイードゴルフ"っていう会を開いてる趣味人もいるとは思いますけどね。

右の2人はゆったりフィットな感じで、今では逆にこんな感じのコートが気分の人も多いでしょう。
そう考えると、やはりオーヴァーコートの完成度の高さには驚かざるを得ません。

理論的に考えまして、もうおばぁちゃん家の重たい毛布は羽毛布団に駆逐されたわけですから、こういったヘヴィーウエイトなウールドースキン辺りのコートもダウンウェアに駆逐されるのが自然の摂理なのだと私は思います。
軽い、温かい、動きやすい新しいアイテムが古くさいアイテムに取って代わって然るべきなのです。
しかし、依然人類はこのようなオーヴァーコートを求めています。
これは奇跡的なことではないでしょうか。
スーツは地球規模で社会的地位が与えられたので、着る機会が絶対的にあるのですが、オーヴァーコートに限っては着なくてならない場所は無いんですね。
それなのに、今に見るスーツ以上に歴史があるうえでまだ男性諸君に愛されているわけです。
これはもうどこか、このオーヴァーコートに官能的な美、またはオッパイ的な何かが内包されているに違いありません。
還元的に考えてみまして、使わざるを得ない"スーツ"はどちらかと言うとペニス的に響くかもしれません。
勝負のときには使わなくてはならない、そして女性も大好きな "スーツ"。これは謂わば"ペニス"なのではないか、そしてオーヴァーコートは"オッパイ"なのではないだろうか?
非常に哲学的な問いになってしまいましたが、皆様はどう思いになられるでしょうか?
きっと前前前世あたりではスーツやオーヴァーコートはそうだったとRadwimps辺りは私に同調してくれると信じております。

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ずいぶんフォーマルになってまいりました。
冬ですからもちろんですけどもグローブは必要ですよね。これは以前にもいいましたが本当に必要です。
帽子も必要ですよね。
私も外に出るときは必ず帽子を被るんですが、(もちろん、こういった帽子ではありませんよ。)現代ではなぜ被らない人が多いのでしょうか?
私はもう最後に被らないで街を歩いたのがいつのことなのかも覚えてはおりません。
ある一定のファッションに敏感な層の人にはフェドーラ、トリルビー辺りは俄然人気のようですが(特に空前のボルサリーノ人気だと聞きます。実際スーツにフェドーラは相当難しいんですけどね。)、こういった俗に言う"ハット"というようなカテゴリーのものはもう一般的になることはないのでしょうね。残念です。

逆にニットキャップとベースボールキャップはいつまでこの世に残るのでしょうか?
いつかはここにみるトップハットやボーラーハットの様に昔のコスチュームのアーカイブ程度に扱われるときが来るのでしょうか?
彼らはいまではそんなことを微塵も思っていないでしょうが、当時のこの帽子たちも今の現状を想像することなんてできなかったことでしょう。
ウォーキングスティックも同様です。
これらを見ていると本当にたくさんの方々が使っていたアイテムなのだと思います。しかも基本男性のみです。不思議なアイテムですよね。
ファッション以外に武器としての携帯でもあったわけですから、さながら侍が刀を持っていたようなものなのかもしれません。
日本の街角で侍や忍者を見ないように、こういった紳士を英国で見ることはもうありません。今、ウォーキングスティックを使っているのは、本当に足の悪いおじいちゃん達だけです。
ということですから、あなたが健康体であるにもかかわらずウォーキングスティックをもって歩くということは外人さんが日本刀片手に浴衣を着ているようなものですから、そういったパーティーやイベント以外ではやらないほうがいいかもしれません。
正直どういったパーティーかはわかりませんが、スティック持ちながら自転車に乗るとかそういったイベントがきっと世界のどこかにはあるのではないでしょうか?
そのイベントに参加するときは絶対に電動アシスト付き自転車にだけは乗らないほうがいいと思います。
若いのにガチで足腰の弱い人だと思われてきっとモテませんからね。
その際にツイードを着るかどうかは、あなたに任せます。