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column

"Handmade In Napoli"。現在の紳士服を語るうえで避けては通れない道なのかもしれません?

私が今ここでお伝えすることすら微塵も無いほど、すでに皆様達には十二分にその情報は行き渡っていることだと思われます。もっと言ってしまえば、きっと私よりも日本の服狂人の皆様の方がそれに関しては詳しいことでしょう。

特に私のようにイギリスの仕立てを生業にしているものがナポリのそれを語るとなると、若干バイアスが掛かってしまうこともあるかもわかりません。

今回はなるべく公平に、そして客観的に仕立て、そしてそのナポリ式を考えてみたいと思っております。

お世話になっております、をさないです。

イギリス物かイタリア物かの選択、それは謂わば一種の宗教的なことであります。
着ているジャケットがイギリス製かイタリア製かにとどまることはありません。
その個人の雰囲気はもちろん、思考、所作に及ぶまで違ってまいります。
源流を同じものと見ると、さしずめあなたがカトリックなのかアングリカンなのかと言うようなことと似ているのかもしれません。

お分かりいただける通り、どちらが優っていて、どちらが劣っているというようなお話ではないのであります。
どちらが自分にあっているか、しっくり来るのか、ということなのです。

少々深入りしますと、別にこれは"Made In Italy"であればイタリア物と言っているわけではありません。
現在ではどこの国のブランドであってもファクトリーをイタリアに任せている節があるわけですからね。
要はその一着がイタリア服協会に属しているのか、イギリス服協会に属しているのか、というあくまで宗教的(はたまた政治的な理由も含まれているかと...)な感じでございます。

まぁ、こと仕立てに関してはその場所(ほとんどが、仕立屋の中)で作るわけですから、そのようなファクトリーがどうこうの議論の余地は無くなってしまうのですけれでも、サヴィルロウの中にはイタリア在住の職人とパイプを持っていて、そこに仕事を送ってしまうということもあるにはあるのです。しかしながら、その一着が間違ってもイタリア服協会に属していないのはご理解いただけますでしょうか?

savilerow_20141108_1.png<ナポリ製のビスポークジャケット。ものすごい大きいジャケットですので、マネキンにサイズがあっていません、こちらもご理解ください。>


皆様同様、私もイタリアは大好きです。ご飯も美味しい。(何も、イギリスの飯がまずいと言っているわけではありませんよ。アレも美味しいですしい、アレも美味しい、あと、アレも美味しいですね。まぁ、いっぱいあります。グルメ批評版ではないので話を広げませんが 。)見るところも満載で、何度でも行きたい国の一つであります。


長々と来ましたが、今回私がまずこのように非常にニュートラルな立場であるということをご理解いただきたいと思っております。

本当のことを申しますと、私がイギリスを持ち上げて、イタリアをコケ落としたところで私の生活が楽になるわけではありません。このSRCでは長いことサヴィルロウについて書いてきておりますが、今まで私の工房に日本人の名前が入ったお仕事が来たことはありませんし。
かと言ってイタリアのファッションブランドに何の繋がりもないので、ここに写真を載せれば広告費のようなお金が入ることもありません。(一日に数万アクセスもあれば、そういったことを考えたほうがいいのかもしれませんが...)もちろん、イタリア服協会の者が私の家に布教活動に来たこともありません。
私の網膜以外にフィルターのかかるところは一切ないわけであります。完全バイアスフリー、ステマフリー(今までもこれからもでございます。)でお送りいたしたいと思います。

savilerow_20141108_2.png<後ろはこんな感じです。シームはイタリア物ではよく目にみる仕様です。 非常にカジュアルに見える仕様のシームです。縫い代を割らずに片側に倒し、上からトップスティッチを手で入れるタイプのものです。このタイプには実は2種類あります。細かいディテールは後ほど。>


はてさて、皆さん、私もこのような職業なので沢山のジャケットを持っております。変な話がサンプルとして手元に置いておくのは逆にイタリア物だったりします。あまり新しいイギリス物では目新しさも無く、持っていても仕方が無いのが現実です。(家のスペースにも限りがあるものです。)しかし、イタリア物なら話は別です。全く別物ですからね。
イギリス物は逆に年代モノのヴィンテージが、そのコレクションの大体になります。この場合は、ビスポーク、RTWを選びません。
と、まぁ、とりあえずナポリ製のビスポークジャケットは今では手元に5着程あります。正直言いますとあまり程度の良いものが揃っていなく、ここでその詳細を晒してしまうと完全にナポリジャケットのネガティブキャンペーンになってしまいますから、それは私としてもしたくなかったわけであります。
今回ようやく、ある程度のレベルの物が手に入ったので、ご紹介してもいいだろうと思った次第です。

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Biagio Mazzuoccolo というサルトリアです。非常に丁寧に作られているのが、ぱっと見でわかります。私は無論全く聞いたことの無いテーラーでしたが、調べたみたところ、時計コレクターとして世界的に有名なAlfred Paramicoさんという人がご贔屓にしているようです。ちなみに彼はナポリ出身で"世界で最も重要な時計コレクターの一人"と言われているようでして、ググって見たところシルバーヘアーがダンディでハンサムな方です。しかしなんといっても、そのとんでも無いカ・ラ・ダ!

完全にビルダーです。(どうやら本職はバンカーのようですが...)
どうやら、マニアな男性はどこか病的というか何かに取り憑かれてしまっている気があるようです。(まぁ、そんな彼はきっと健康マニアでもあるような気がしますが。もちろんイイ意味で言っていますよ。どうやら私もあまり人のことを言える立場にはいませんから。)
そりあえず、他の誰でもなく、ナポリ出身の世界的な目利きが贔屓にしている上着のようですから、ある程度の質の保証はされていると思います。

掻っ捌いてまいりますよ。楽しみですね。
それではまた。